親が住んでいた実家が空き家になり、売却すべきかそのまま残すべきか悩む方は少なくありません。思い出が詰まっているからこそ決断が難しいものです。しかし、放置しておくと管理や固定資産税の負担が増す可能性もあります。本記事では、実家を売るかどうか判断するためのポイントや、売却時に押さえておきたい注意点について解説します。
空き家になった実家を売るか残すか迷ったときの考え方
親が住んでいた実家が空き家になり、そのままにするか売却するかで悩む人は多くいます。思い出があるだけに、すぐに手放すのはつらいかもしれません。以下では、実家をどうするか判断するためのポイントをご紹介します。
今後住む予定があるかどうかを確認しよう
実家に誰かが住む予定があるかどうかは、大きな判断材料になります。自分だけではなく兄弟にも確認し、誰も住む予定がなければ売却を考えるべきです。
また、適切に管理されていない空き家は「特定空家」に指定され、固定資産税が最大6倍に増えることもあります。将来的な負担を考えると、早めに行動することをおすすめします。
実家が遠方にあるなら管理の負担も考えて
実家が今の住まいから遠く離れている場合は、維持や管理が大きな負担になります。定期的な掃除や換気、草木の手入れなど、空き家には想像以上の手間がかかるものです。
遠方に住んでいるとそれが難しくなり、放置されるリスクも高くなります。管理が行き届かないことで建物の傷みが進み、資産価値が下がる可能性もあるため、売却を前向きに検討してみましょう。
建物が古くて傷んでいるなら早めの決断を
築年数が古く、すでに傷みが目立つ実家は、放置するとますます状態が悪化します。人が住んでいない家は劣化のスピードが早く、地価の上昇が期待できない場所であれば、将来的に売却しにくくなる可能性もあるでしょう。
老朽化が進んでいる場合は、資産価値がこれ以上下がる前に売却を検討するのが得策です。
活用の予定があるなら残すのも選択肢
もし、実家を賃貸物件にしたり、駐車場や倉庫として活用できる見込みがあるなら、売らずに残すのもひとつの方法です。空き家をうまく活用できれば、毎月の収入につながる可能性もあります。
ただし、リフォーム費用や運営の手間がかかる場合もあるため、事前に費用や管理方法をしっかり考えておくことが大切です。利益が見込めるかどうかを冷静に判断しましょう。
実家を売る前にやるべきことは?
実家を売りたいと思っても、すぐに不動産会社へ相談すればよいわけではありません。まずは事前に確認しておくべきポイントがあります。ここでは、売却前にやっておくべき基本的なステップをご紹介します。
最初に遺言書の有無を確認しよう
実家が親からの相続である場合は、まず遺言書があるかどうかを確認しましょう。有効な遺言書があれば、基本的にはその内容に従って財産を分ける必要があります。遺言書がなければ、相続人全員で話し合って分け方を決めることになります。
たとえば、兄弟が3人いれば、実家は3人で共有する形になるのです。こうした持ち分の確認が、売却の大切な前提となります。
売る前に名義の変更を忘れずに
相続した家を売るには、まず名義を変更する必要があります。この手続きは「相続登記」と呼ばれ、法務局で行うものです。相続登記は2024年から義務化されており、相続が発生してから3年以内に手続きをしないと、10万円以下の過料がかかる可能性があります。
手続きは自分でもできますが、書類が複雑な場合は司法書士に頼むと安心です。名義変更を済ませてから、売却の手続きに進みましょう。
実家を売るなら不動産会社選びが重要!
実家を売却するかどうかの判断や、売る前に確認すべき注意点がわかったら、次はいよいよ不動産会社選びです。安心して売却を進めるために、信頼できる不動産会社を選ぶポイントを紹介します。
地元に強い不動産会社に依頼するのがおすすめ
できるだけ実家の近くにある、地元の不動産会社に相談してみましょう。地域密着型の会社は、その土地の情報や市場の動きにくわしく、地元の買い手とのつながりも豊富です。
そのため、売却までの流れがスムーズになりやすく、適正な価格で早く売れる可能性が高まります。地元に強い会社を選ぶことが、満足のいく売却につながります。
売却実績の多さも信頼のポイント
不動産会社を選ぶときは、実際にどれだけの売却実績があるかも大事なポイントです。実績が多い会社は、売却のノウハウがしっかりしていて、さまざまなケースに対応できる力があります。
ホームページで実績を確認したり、実際に担当者に過去の売却事例を聞いてみるのもよい方法です。経験豊富な会社に任せることで、安心して進めることができます。
担当者との相性もチェックしよう
不動産会社を決めるうえで、担当者との相性も見逃せないポイントです。こちらの話をしっかり聞いてくれるか、質問にわかりやすく答えてくれるかなど、信頼できる対応かどうかを確認しましょう。
不安なことを相談しやすい担当者なら、やりとりもスムーズになります。相性のよい担当者と出会えるかどうかも、売却の成功に大きく関わってきます。
まとめ
実家が空き家になったとき、売るか残すかの判断はかんたんではありません。しかし、誰も住む予定がない、管理が難しい、老朽化が進んでいるといった場合には、早めに売却を検討することで、将来的な負担を減らせます。売却を進める際は、まず遺言書や相続登記の確認など、必要な準備を整えることが大切です。そして、不動産会社選びも慎重に行いましょう。地元に強く、実績があり、信頼できる担当者のいる会社を選ぶことで、安心して売却を進めることができます。

