狭小地及び狭小住宅は、一般的に「売りにくい」と言われがちです。しかし、いくつかのポイントを押さえることで、狭小住宅を少しでも高く、早く売ることは可能です。本記事では、狭小住宅を売却する際に注意すべきことも合わせて解説するので、狭小住宅の売却を検討している人はぜひご一読ください。
狭小住宅が売れにくい理由
狭小住宅が売れにくいとされる理由には、主に4つの要因が挙げられます。
間取りや仕様が特殊
第一に、狭小住宅は間取りや仕様が特殊であることが多いです。一般的な生活スタイルに合わないと感じられるケースが多いため、購入希望者が限られ、需要が低くなりがちです。とくに、狭小地や不整形地に建てられた物件では、間取りが制限されるため、生活のイメージがしにくいという声もあります。
施工費用・維持費が高くなりやすい
第二に、購入後の施工費用や維持費が高額になる傾向があることも大きなネックです。土地が狭いため工事車両や資材を置くスペースが確保しにくく、工事に伴うコストが高くなりやすい点が挙げられます。
また、外壁や屋根のメンテナンスの際にも、足場を設置するスペースが不足し、通常より費用がかさむことも多くなります。
住宅審査に通りにくい
第三に、住宅ローンの審査に通りにくい点も見逃せません。狭小住宅は担保価値が低く評価されやすく、金融機関からの融資が受けにくい傾向にあります。これにより、購入希望者がいてもローンが通らずに契約が成立しないという事態が発生しやすく、結果として売却のハードルが高くなってしまいます。
近隣トラブルが起きやすい
最後に、隣家との距離が近いため、プライバシーや騒音、窓の位置などをめぐってトラブルが起こりやすいことも、売れにくさにつながります。こうしたリスクが懸念される物件は、購入者の不安要素となり、敬遠されやすくなります。
狭小住宅を少しでも高く迅速に売る方法
狭小住宅の売却が難しいとされる中で、早くかつ高く売るためには、いくつかの工夫が必要です。
立地の良さをアピールする
まず、狭小住宅が都市部にあることが多いという特徴を活かし、駅やバス停へのアクセス、周辺の学校や商業施設などの生活利便性といった「立地の良さ」を積極的にアピールすることが大切です。狭さというデメリットを補う魅力として、買主の購入意欲を高める効果が期待できます。
内覧時の対応をていねいに行う
次に、内覧時の対応も売却を成功させるうえで重要なポイントです。室内の整理整頓や水回りを中心とした清掃、におい対策など、内覧者に好印象を与える準備を行いましょう。
来訪者が興味を持っている証拠でもある内覧では、住宅の特徴や立地の利点について丁寧に説明し、ポジティブな印象を残すことが売却の後押しとなります。
土地のみを売却する
また、建物に対する需要が低い場合は、更地にしてから土地のみを売却する方法もあります。ただし、解体費用が発生し、その費用を売却価格に反映できるとは限らないため、慎重な判断が必要です。不動産会社に相談し、最適な対応を見極めることが求められます。
複数の不動産会社に査定を出す
さらに、複数の不動産会社に査定を依頼することで、相場を把握しつつ信頼できる業者を選ぶことができます。不動産一括査定サービスなどを活用することで、効率よく比較検討することが可能です。
狭小住宅の売却実績がある不動産会社を選ぶ
最後に、狭小住宅の売却には専門的なノウハウが必要となるため、実績豊富な不動産会社に仲介を依頼することが成功への近道となります。狭小住宅の売却経験が豊富な業者は、市場動向や効果的な販売戦略に精通しており、より有利な条件での売却が期待できるでしょう。
狭小住宅を売却する際の注意点
狭小住宅を売却する際には、特有の注意点を踏まえた対応が求められます。まず重要なのが、売出し価格の設定です。狭小住宅は購入を検討する人が限られている傾向があるため、相場とかけ離れた高額な価格を設定してしまうと、なかなか買い手が見つからず、結果として長期間売却できない可能性があります。
売出し価格は、周辺の相場や市場動向を参考にしながら、不動産会社と相談のうえで現実的な範囲に設定することが大切です。次に注意したいのは、安易なリフォームです。
見た目を良くしようとリフォームを行うことで、買主に良い印象を与える可能性はありますが、必ずしもその費用を売却価格に反映できるとは限りません。むしろリフォームによって価格が高くなり、かえって売れにくくなるリスクもあるため、リフォームの実施は慎重に判断する必要があります。
とくに自己判断で工事を進めるのではなく、経験豊富な不動産会社と相談しながら検討するのが望ましい対応です。さらに、住宅の不備やデメリットについては、隠さずに正直に伝える姿勢が求められます。
たとえ小さな不具合であっても、売却後に発覚すると「契約不適合責任」を問われるおそれがあり、トラブルに発展する可能性があります。この責任とは、売買契約の内容に適合しない点があった場合に売主が負う義務のことです。これにより、損害賠償や契約解除といったリスクを招く恐れがあります。
まとめ
狭小住宅の売却は難しいと思われがちですが、実はポイントを押さえれば早期かつ高値での売却も十分に可能です。本記事では、狭小住宅が売れにくいとされる4つの理由を解説したうえで、効果的な売却戦略や注意点を紹介しました。立地の魅力を活かしたアピール方法や内覧対応の工夫、さらには信頼できる不動産会社の選び方まで、実践的な内容が満載です。売却を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
