
不動産売却を成功させるためには、適切なタイミングを見極めることが欠かせません。本記事では、不動産売却に適したタイミングを「季節」「市場状況」「築年数」の3つの視点から詳しく解説します。不動産の売却を検討している人はぜひこの記事を読んでいただき、売却を成功させてください。
CONTENTS | 目次
不動産を売却しやすい季節
不動産を売却する際には、季節ごとの需要の高まりを意識したタイミングが重要です。とくに売却しやすい時期として挙げられるのが「新生活シーズン」と呼ばれる4月前後です。
ただし、4月に入ってから売り出しを開始するのでは遅く、すでに物件の購入を終えている人が大半であるため、売却のチャンスを逃してしまう可能性があります。
実際に物件の取引が活発になるのは2〜3月であり、買主が物件探しを本格化させるのはその前段階にあたるため、12月から1月の間には売却活動を開始しておくのが望ましいとされています。
年末から年始にかけては一見不動産市場が静かに見えるものの、春の引っ越しを見据えた買い手の動きが少しずつ始まっている時期でもあります。
一方で、春の売却タイミングを逃してしまった場合でも、次のチャンスとして「10月」も狙い目です。これは、秋にかけて転勤などにより住み替えが発生しやすい社会人の動きが増えるためです。
とくに8〜9月にかけて転勤が発表され、それに合わせて新居探しが始まるケースが多く、結果的に10月に契約がまとまることが少なくありません。そのため、このタイミングでの売却を見込むのであれば、6〜7月中には物件の売り出しを開始しておくことを推奨します。
不動産を売却すべき市場状況
不動産を売却する際には、市場の動向を見極めることも重要な要素となります。現在の不動産市場においては、新築・中古マンションの一戸あたりの平均価格が上昇傾向にあることが確認されており、このことから「今は不動産を売るのに適した時期」と判断することができます。
市場価格が高まっている状況下では、売却価格も高く設定できる可能性があるため、売主にとっては有利な条件が整っていると言えるでしょう。しかしながら「もう少し待てばさらに価格が上昇するのではないか」と期待する声もあるのが現実です。
確かに、市場が引き続き好調であれば、今より高値での売却が可能になるかもしれません。ただし、注意しなければならないのは、不動産市場は常に一定の方向へ動くとは限らないという点です。実際に、2008年に発生したリーマンショック以降、世界経済が混乱し、不動産市場も大きく下落しました。
このような大きな経済的変動は予測が難しく、いつ何が起こるか分からないという不確実性が常につきまといます。したがって、市場が上向いている今だからこそ、売却を前向きに検討すべきタイミングと言えるでしょう。
過度に高値を狙って売却時期を引き延ばすことで、結果的に市場が冷え込み、売却機会を逸してしまうリスクもあります。とくに不動産のような高額な資産の場合、市場変動による影響は大きいため、早めの判断と行動が功を奏するケースが多いのです。
不動産を売却すべき築年数
不動産を売却する際には、築年数の視点からタイミングを検討することも重要です。中古マンションの売却が成立した件数を築年数別に見ると、意外にも築31年以上の物件の売れ行きが伸びていることが分かります。
これは、近年の不動産価格の高騰が背景にあると考えられます。新築や築浅物件の価格が上昇するなかで、比較的手の届きやすい価格帯にある築古物件に注目が集まり、購入を検討する層が増えているのです。
とくにリノベーションを前提として購入を希望するユーザーにとって、築年数が経っていても魅力的な選択肢となっているケースが多く見られます。また、築31年以上の物件が市場に多く出回るようになったことも、売却件数の増加の一因です。
物件数が増えればその分売却される機会も多くなるため、一定のニーズがあることを裏付けています。そのため「築年数が古いから売れにくいのでは」と不安を抱えている所有者であっても、現在の市場状況では売却を前向きに検討する価値があります。
場合によっては想定以上の反響が得られることもあるでしょう。とはいえ、注意が必要なのは、築年数が経過するごとに物件の市場価値は基本的に下がっていくという点です。
とくに築20年を過ぎると、価格が大きく下落する傾向が見られ、資産価値の維持が難しくなっていきます。売却益を最大化したいと考えるのであれば、築20年をひとつの目安として、なるべく早い段階で売却の検討を始めることが推奨されます。
まとめ
不動産売却の成功には、適切なタイミングを見極めることが不可欠です。本記事では「季節」「市場状況」「築年数」の3つの視点から、効果的な売却時期を解説しています。まず、春の新生活シーズンを狙うなら、4月の入居開始に間に合うよう12〜1月には売却活動を始めるのがポイントです。次に、市場価格が上昇傾向にある今は、売り時として非常に有利ですが、過度な期待で売却を遅らせると価格下落のリスクがあるため注意しましょう。最後に築年数では、築31年以上の中古物件の需要も増えていますが、築20年を超えると価格が大きく下がる傾向にあるため、早めの売却検討が望ましいです。これらの視点を踏まえ、最適なタイミングで行動することが、不動産売却を成功に導くカギとなります。