不動産の売却は人生の中でも大きな決断のひとつですが、手続きが複雑なうえ、思わぬトラブルに巻き込まれるケースも少なくありません。いくつか後悔する前に備えておきたいポイントがあります。本記事では、不動産売却でよくあるトラブルとその対処法について、事前に知っておきたい情報をご紹介します。
不動産売却でよくある5つのトラブルとその対処法
不動産の売却は多くの手続きが必要なため、予期せぬトラブルが起こることもあります。安心して売却を進めるためにも、よくあるトラブルの内容とその対処法を事前に知っておくことが大切です。
仲介手数料に関するトラブルにご注意を
仲介手数料をめぐるトラブルはとても多く見られます。中には、相場よりも高い金額を請求してくる業者もいます。これを防ぐには、複数の不動産会社に見積もりを依頼して比較することが大切です。
また、仲介手数料の計算方法や金額は契約書にしっかり記載してもらいましょう。さらに、その他の費用についても事前に確認し、発生する可能性があるなら必ず契約書に明記しておくと安心です。
「囲い込み」で売却が進まないことも
「囲い込み」とは、不動産会社が自社の利益を優先して、他社に物件を紹介させないようにする行為です。これにより、買い手が見つかりにくくなり、売却までの期間が長引いたり、価格を不当に下げられたりすることがあります。
こうした事態を避けるには、物件がレインズに登録されているか、不動産会社が積極的に販売活動をしているかをチェックしましょう。価格設定が適切かどうかも確認するのがおすすめです。
見えない欠陥「隠れた瑕疵」にも注意
売却後に問題となるのが、購入時には気づけなかった建物の欠陥です。これを「隠れた瑕疵」といいます。具体的には、シロアリの被害や水漏れなどが該当します。
こうした問題は、売主が知らなかった場合でも責任を問われることがあります。トラブルを防ぐためには、事前に物件の状態を調べておくことが大切です。必要に応じて、専門業者によるホームインスペクション（住宅診断）を利用するのも有効です。
買主が支払いできないトラブルも
売買契約を結んだのに、買主が住宅ローンの審査に落ちて残金を支払えないというケースもあります。これにより、手付金の返金や契約の取り扱いでもめることがあります。
こうした事態を避けるためには、契約前に買主がローンの事前審査に通っているかを確認しましょう。また、手付金やキャンセル時のルールについても、事前に契約書に明確に記載しておくと安心です。
契約解除でもめるケースも多い
契約後にやむを得ず解除する場合、トラブルになることがあります。とくに契約内容が不明確だったり、不動産会社が重要な情報を説明していなかったりする場合に起こりやすいです。
解除に関するトラブルを防ぐには、契約前に具体的な事例を不動産会社に確認し、契約書には解除条件を明記しておくことが大切です。また、不安がある場合は専門機関に相談することも検討しましょう。
不動産トラブルに巻き込まれたら？困ったときの相談先
不動産の売買では、事前に気をつけていても予期しないトラブルが起こることがあります。以下では、不動産トラブル時の相談窓口についてご紹介します。
まずは不動産会社や所属団体に相談
問題が発生したときは、まず取引を行った不動産会社に連絡してみましょう。営業担当者に伝えても改善されない場合は、その会社の営業責任者や相談窓口に相談するのが効果的です。
また、多くの不動産会社は業界団体に所属しており、そこでも相談を受け付けています。全日本不動産協会などが代表的です。公正な立場からアドバイスを受けられるため、不安なときには活用してみましょう。
専門家に相談すれば安心できる
トラブルの内容によっては、法律や税金、土地の境界などに関わることもあります。そういったときは、弁護士や司法書士、税理士、土地家屋調査士、測量士などの専門家に相談するのがおすすめです。ひとりで悩まず、早めに相談しましょう。
安心して任せられる！信頼できる不動産会社を選ぶために
不動産の売却や購入は大きなお金が動くため、信頼できる不動産会社選びがとても大切です。以下では、後悔しない不動産会社の選び方についてご紹介します。
その会社が得意なことと実績をチェック
不動産会社には、マンションに強い会社や戸建ての売却が得意な会社など、それぞれに得意分野があります。中でも注目したいのが「売却実績」です。これまでにどのような物件をいくらくらいで売ってきたかを聞くことで、その会社の経験値がわかります。
公式サイトや口コミも参考になりますが、直接話を聞いてみるのが一番です。自分の希望に合った実績がある会社を選ぶことで、スムーズな売却につながります。
信頼できる担当者なのかどうか
不動産会社の規模が大きくても、実際に対応してくれるのは「担当者」です。そのため、話しやすいか、質問にきちんと答えてくれるか、対応が早いかなど、信頼できるかどうかをよく見ましょう。
また、説明がわかりやすいかどうかもチェックポイントです。担当者との相性がよければ、不安なことも相談しやすくなり、安心して任せることができます。
まとめ
不動産の売却では、仲介手数料や契約、物件の状態など、さまざまなトラブルが起こる可能性があります。万が一トラブルに巻き込まれてしまった場合は、不動産会社やその所属団体、さらに弁護士などの専門家に相談することで早期解決につながることがあります。トラブルを防ぐには、信頼できる不動産会社を選ぶことが何よりも大切です。実績や得意分野を確認し、担当者との相性もしっかり見極めながら、安心して任せられるパートナーを見つけましょう。
