
不動産売却でもっとも重要な要素のひとつに、業者選びがあります。同じ物件でも、不動産会社によって売却価格やサポート内容が大きく異なるため、適切な業者選びが重要です。そこで今回は、よい不動産会社を見極めるためのチェックポイントを詳しく解説します。不動産売却における業者選びに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
行政処分情報・免許番号
不動産業者を選ぶ際のポイントは、行政処分情報や免許番号の確認です。まず、行政処分を受けていないかどうかを調べる方法として「国土交通省ネガティブ情報等検索システム」があります。
このシステムでは、不動産業者の過去の行政処分情報を確認でき、社名や期間で検索することが可能です。行政処分を受けている業者が必ずしも悪質であるとは限りませんが、業者を比較するためのひとつの指標として役立ちます。
次に、不動産業者が適切な免許をもっているか確認するために免許番号を調べましょう。免許番号は、業者のホームページや名刺に記載されています。この番号には、免許の更新回数を示す数字が含まれており、(1)は開業したばかりの業者を意味します。
なお、免許は5年ごとに更新されます。そして、業者が他の地域でも営業を行う場合は、免許番号がリセットされることがあるので注意しましょう。
机上査定の対応のよさ
次に、机上査定の対応がよいかをチェックします。不動産会社だけでなく、営業マンの対応も重要な評価基準となります。理由は査定した営業マンが売却の担当になることがほとんどです。
机上査定を依頼するには、一括査定サイトの利用が便利です。一括査定サイトを使えば、物件情報を入力するだけで、複数の不動産業者に同時に査定依頼を出せます。ここで重要なのは、査定の迅速さ、丁寧さ、正確さの3つの要素です。
まず、査定結果の迅速さを確認しましょう。一般的に、一括査定サイトで依頼した場合、1〜2営業日以内に査定結果が届かないと遅いと見なされます。
次に、丁寧さです。電話やメールでの対応が丁寧であるか、気になる点をわかりやすく説明してくれるかがポイントとなります。
最後に、査定額の根拠を確認することで、正確さを見極めます。複数の業者に依頼することで、根拠を元にした正確性が浮き彫りになります。
直近の販売実績
次は、業者の直近の販売実績です。とくに、一戸建てやマンションの売却を考えている場合は、業者にそのタイプの物件に関する実績があるか確認しましょう。直近の販売実績がある業者は、いくつかのメリットがあります。
まず、直近の販売実績がある業者は、顧客を既に抱えている可能性があります。この場合、売却を開始したときに早い段階で内覧者を集客できます。
さらに、物件を探しているということは、すでに検討段階が進んでおり、成約に至る可能性も高いと考えられます。業者が有力な顧客を抱えていることで、スムーズな取引が期待できます。
また、直近の販売実績のある業者は売却に関して信頼できます。不動産の売却には、物件自体の特徴だけでなく、エリアの特性も大きな影響を与えます。
そのため、業者がそのエリアで過去に売却実績をもっていれば、そのエリアに関する深い理解があるはずです。具体的には、そのエリアの資産価値や周辺施設の利便性、最寄り駅の交通利便性などです。
このような知識は、営業トークやマーケティング戦略に活かされ、成約率を高められます。
競合物件をきちんと確認しているか
最後は、競合物件をリサーチできているかです。査定額を決定する際、過去の成約事例だけを基にした査定額は意味がありません。実際に物件を売り出す際には、競合物件の売り出し価格を加味することが非常に重要です。
査定額は成約事例を参考に算出されますが、実際に広告に掲載する「売り出し価格」は、値引きなどを考慮して査定額より高めに設定されることが一般的です。この価格設定を決定する際、競合物件の価格が大きな影響を与えます。
したがって、成約事例だけしか調べていない業者は、売り出し価格を決定する際の重要な情報を欠いていることになるのです。売り出し価格が競合物件と比べて高すぎると集客が減少し、逆に安すぎれば損をする可能性があります。
競合物件をきちんとチェックして、その情報を元に適切な売り出し価格を提案する業者を選ぶことが重要です。
まとめ
不動産売却において業者選びは非常に重要なポイントです。信頼できる業者を選ぶためには、まず行政処分情報や免許番号を確認し、業者の信頼性をチェックしましょう。直近の販売実績がある業者は、顧客を抱えている可能性が高く、スムーズな取引が期待できます。さらに、競合物件の価格をしっかり確認し、適切な売り出し価格を提案できる業者を選ぶことが成功へのカギとなります。これらのチェックポイントを参考に、安心して不動産売却を進めましょう。